フットボール禁止条例。

サッカー好きのわたくし110kin(いときん)が、AKB48やSKE48にハマったらどうなるかっていう記録を残しているブログ。うつ病の闘病記も残しています。

読書記録。

『AKB48白熱論争』を読んで(後編)

お待たせ(?)しました。

先週はちょっと家庭内でゴタゴタしていたのと、週末にはHKT48研究生公演の初日が当選したので急遽福岡に行ってきたりしてまして。これについては後ほど。

では、前回に引き続き、『AKB48白熱論争』の感想の続きを。







●第二部「では、なぜ人は人を推すのか」 

前回紹介した第一部では、総選挙直後の座談会ということで、総選挙の仕組み、ひいてはAKBのシステム論について話がありました。今回紹介する第二部では、あの「指原博多移籍騒動」の直後に行われた座談会で、「恋愛禁止条例」や、それでも推しメンを応援することについての議論が飛び交っています。

・「会えるアイドル」から「寝れるアイドル」へ?

議論が長いので引用は省略しますが、指原さんの話から「実は、アイドルと付き合える可能性があるってことなんじゃいか?」という吹っかけを宇野氏が始めています。この話、現代のアイドルの話をある意味象徴していると思うんですよね。事務所に守られて「高嶺の花」でしかなかった80年代のアイドルとはまた違ってくるわけです。それこそ、「もしかしたらアイドルと付き合えるんじゃね?」と中学生が言っても、20年前なら馬鹿にされるだけだったのが、今なら「いや、指原みたいなこともあるかもしんないよ」と返せるんですから。

もちろん、指原さんの話は研究生としてデビューして間もない頃だし、その頃はまだAKBも今ほど人気はありませんでした。選抜メンバーの合コン話も、芸能人との話なわけですから、類が違います。それでも「指原みたいなことがあるんだから」と言えてしまうことは、8月にHKT1期生が5人も辞退した(ピンチケと繋がったという話)ことにも表れていますよね。

この距離感を、濱野氏は、

「西洋発祥の恋愛って、「神への愛」という宗教的な観念が、人間どうしの恋愛に横滑りしたもので、だから「階級違いの愛」とか、「不貞」とかがやたら近代小説のネタになってたわけですよね。そこには、「あえて恋愛不可能な対象に情熱を燃やす」という形があった。それを今現代社会において実現しているのは、恋愛禁止条例を課されたアイドルしかいない」

とたとえはじめ、ここから壮大なアイドル宗教論に発展していきます(笑)。「CDの箱買いはお布施」だとか(笑)。このあたりの話は読んでてもちょっとバカバカしくなってくるので割愛しますが、面白いのは面白いので、ぜひ買って読んでみてください。

●AKBは10代の女子にとって大切な恋愛も、セックスも捨てている

中森:(注・AKBと一般女子が討論する深夜番組を例に出して)ブスい女の子の一人が、AKBのメンバーに向かって「でも、あなたたち恋愛できないんでしょ?」と蔑むような表情で言い放っててね。これは凄まじいショウだと思った。あまりの残酷さにドン引きしましたよ。メンバーはみんな、完全に凍りついてたからね。それぐらい、あの年代の女の子にとって恋愛禁止は大変なことなんですよ。「あなたたちは、いちばん大事なものを捨ててるんでしょ」みたいな話ですから。
小林:それでも、峯岸みなみなんか「自分はAKBにすがりつく」と言ってるし、マリコ様だって「40までやる」と言うよね。彼女たちは、アイドルでいられるなら恋愛しなくてもいいと思っている。
中森:それはやっぱり宗教でしょう。
濱野:とはいえ一部のメンバーは、本当にAKBのメンバーでいるまま、セックスなんかしなくていいとさえ思ってるんじゃないでしょうか。握手会を見てると、メンバーもファンの側も、変な話セックスより楽しそうにしている。1日数千人ものファンから肯定的な言葉を浴びまくるわけで、もちろん体力的には辛いけれど、これは相当な快感だと思いますよ。

これ、一般の人からしたら本当に怖いと思いますよ。リア充と呼ばれるような人はもちろん、リア充への憧れで留まるような非リア充だって、10代にとって「恋愛ができない」という状況は恐ろしいことです。僕だって10代の頃の恋愛は充実してたとは言えませんが(苦笑)、「恋愛するな」と言われたら絶望を感じたでしょうね。

でもたぶん、それをやらなければ、AKB、いや「会いにいけるアイドル」という現在のアイドル業界のシステムの中では生き残ることができない。前田敦子は引っ込み思案すぎて学校では恋愛をする前にAKBに吸い込まれていったし、大島優子や篠田麻里子はAKBに入る前に青春を終えてきているので、割り切れているんでしょう。一方で、サクッと切られてしまうようなHKTの元メンバーたちもいる。

これ、総選挙で順位付けされることや、握手会で直接1対1で罵声を浴びせられることよりも、思春期の子たちにとっては過酷なことなのかもしれません。

●秋元康はマスメディアの手法をソーシャルメディア時代にも応用させた

「AKBはプロレスから総合格闘技になった」という話が出てき始めて、AKBのメディアとしてのあり方についても議論がされています。

・プロレスはプロレス雑誌の編集者やプロデューサーが物語を作っていたけれど、ソーシャルメディアの現代では、劇場公演や握手会にヲタと一緒に放り込んでおけば、ファンが勝手にネットに物語を蓄積してくれる(要約)

なんて話が出てきて、なるほどなぁ、とうなずかされました。

さらには、

・モーニング娘。の『ASAYAN』の頃までは「半分だけ楽屋を見せる」というさじ加減がよしとされていたけれど、今はすべてをさらけ出す「ダダ漏れ」でいい(要約)

とまで言っています(余談ですが、ここでモー娘。やおニャン子と同列で語るな、なんていう他のアイドルへの軽蔑感があるのはDDとしては少し不愉快・苦笑)。

ここでももいろクローバーZとの比較なんかもされているんですけれど、プロレスと総合格闘技の対比で言うと、ももクロの台頭はある種現在の格闘技業界の現状になぞっているのかもしれないと感じ始めてきました。格闘技も90年代のK-1から始まってガチンコな総合格闘技が主流になりつつありましたけど、K-1のスキャンダルでの衰退から今ではテレビでPRIDEもK-1もほとんど見なくなってしまいました。その代わりに新日本プロレスなんかがまた人気が復活しているみたいなんですよね。プロレスマニアの芸人の影響もあるのか、テレビでもプロレスラーをまたよく見るようになりましたし。

総合格闘技は、ガチで殴りすぎたり、逆に勝利を求めて消極的な戦法が取られたり、ファンが引いていくようなシーンが気づくと見えてきていました。もしかしたら、AKBはガチンコをファンもプレイヤーも求めすぎて、結果として人が引いていくということがありうる。「プロレス」に例えられるももクロが今年の紅白に出場濃厚と言われている現状は、アイドル業界の分水嶺なのかもしれません。

●AKBは資本主義を超越し、世界を救う?

またまた話は壮大になってきていて、

・結局、資本主義(=大衆に売れること)を追求することが、システムとしてそれまでの資本主義を超えることができる(要約)

なんて話を宇野氏がし始めます。濱野氏も「ヲタ側にも秋元康に金を搾取されている」という意識はあるとファン側の視点も補足し、それでもシステムとして以前よりも優れているものだという話になってきています。

僕としては、AKBはソニー・ミュージック時代には赤字だったし、劇場公演だってAKS窪田社長らの資本がなければ成り立たないだろうと思うし、メディア論だけでなくもっと現状のビジネスモデルを検討した上でこのあたりは語ってほしいところです。(上場企業ではないし、いろんな企業が複合したビジネス形態なので分析は難しいけれど)

それでも、「クオリティの高いものを作れば金は払ってくれる」なんていう幻想論よりも、AKBみたいに効率良くお金を巻き上げているシステムのほうが、結局大衆に受けている(ように見える)というのは事実かなと思います。これは世のクリエイターやエンタメ関係者は考えて欲しいところですよね。

また、

・現代の自由恋愛主義の中で、競争から漏れた「非リア男子」を救うのが、擬似恋愛の幻想を見せられるAKBなんだ

とも語られていて、これまた壮大だなと(笑)。風俗や水商売のように対価を求めるのと違って、単に握手するだけの関係の中でここまで充実感を得られるというのは確かに他にない。インドネシアや中国にも進出し始めていますが、確かにこういう「非リア」な層は経済発展が進んできている国には一定層いるだろうと思うので、彼らから金を巻き上げるような「超資本主義」が成り立てば、各国でのムーブメントも起きうるでしょうね。そのあたり、緊張関係にある中国・上海で立ち上げられるSNH48には大注目です。

●まとめ

この本を読んで、AKBって
「とてつもなく不自然な行動様式を女の子に押しつけるけど、経済システムとして最先端だし、身近さを感じさせる」
というものだというのを感じさせられました。思春期の行動科学、資本主義経済論、宗教論、メディア論などなど、語り尽くそうに語り尽くせない深い世界にもはやなっています。おそらくこの少し厚い新書でも、4人の著者たちはまだまだ語り足りないんじゃないでしょうかね。

AKBが他のアイコンと違うのは、こうやっていい大人が「ああだこうだ」と、興味ない人からしてみたらどうでもいい話を延々とできることだと思うんです。ファンとしてはゆくゆくは規模は縮んだとしても、これからもこの仕組みが続いていってほしいもんですね。




『AKB48白熱論争』を読んで(前編)。

どうも、ごぶさたしてました。

というのも、夏の間は抑うつ症状が再発していて、その休養に当てていました。 リハビリも兼ねて、ブログも再開していきたいと思います。特に8月はアイドルのイベントにもたくさん行けたので、そのレポもおいおい。



今回は、かなり売れているらしい『AKB48白熱論争』について。AKB好きのインテリ4人衆が、持つ知識を総動員して、AKBについて語る語る。AKBのことをよく知らなくても、システムとして興味が持てるような内容になっているんじゃないかと思います。

論者は、以下の4人。

小林よしのり:
 今年59歳。『おぼっちゃまくん』などの漫画家として知られるが、近年は保守派の評論家としての活躍のイメージが強い。ブログでは政治批判に混じってAKBへの想いが綴られて、ファンの間でも注目を浴びている。『RIVER』新規らしい。大島優子を絶対的に推しているが、 市川美織のことも気になるなど、DDなおっさんである(笑)。

中森明夫:
 今年52歳。80年代に中森明菜の批評でデビューして以来、アイドル評論家として執筆活動をしている。推しは古き良きアイドル感を持つ柏木由紀だが、評論家として一定の距離感を保っている(らしい)。時折宗教論をアイドル論と絡めてくるあたりは、うなずける部分と気持ち悪い部分が入り交ざる。

宇野常寛:
 今年34歳。仮面ライダーのフィギュア収集など、オタクカルチャー一般を得意とする評論家。 今回揃った4人の中ではおそらく頭が一番切れ、仕切り役に回ることが多い。『マジすか学園』での”ガチ感”に心を惹かれた「マジすか新規」。推しは松井玲奈らしく、握手会にも参加している。

濱野智史:
 今年32歳。本来はアーキテクチャ論を語る社会学者・評論家だが、小林よしのりがのめり込んだことを知り、自身もAKBにはまっていく。島崎遥香推しのチーム4推しで、将来娘が生まれたら「はるか」と名付けることを決意している。握手会や総選挙への入れ込み度は4人の中では最も高い。総選挙では50数枚も投票したとか。東京ドームでのチーム4解散発表にはショックを受けて、じゃんけん大会でチーム4が躍進するまでは立ち直れなかったとか。

以下、面白いと思ってた部分を引用しながら感想を書いてみます。 

●第1部:2012年総選挙を終えて
今年の総選挙の直後に、その振り返りとして第1部の座談会が行われています。

・前田敦子がいないのに、前田敦子が主役の総選挙
「あっちゃんは、卒業を表明して今回の選挙に出なかったことで、むしろAKBにおけるジョーカーみたいな存在になりましたね。ある意味、神格化された。最後に花束をもらったときなんか、そこで伝説が歩いているような雰囲気でした」(宇野)

これは面白い指摘だと思っていて、まさに「前田敦子がいない」という注目の集め方をすることで、その他のメンバーへのスポットを当てやすくなったと。1つは、「大島優子か、柏木由紀か、渡辺麻友か、それとも高橋みなみか」なんて票の見方。もう1つ重要なのが、コアファンとしては「前田・大島のトップ争いから離れて、推されていなかった推しのバックアップに心置きなく回れる」という心理です。結果として、選抜は指原莉乃の躍進と梅田彩佳の初総選挙選抜入り以外にはほぼ変動がなかった一方で、アンダーガールズ以下はSKE無双だったり、武藤十夢のサプライズだったりがあったわけです。この1年でだいぶのめり込んだ僕としては、今後のAKBの顔争いは人気メンでやっていていただいて、その下の層にSKEやチーム4のメンバーがどれだけ食い込めるかを楽しみにしたいところでもあります。

・絶対的な存在がいない、システムとしてのAKB
「他のグループはAKBとは全然違うでしょう。人数も少ないし、ファン参加型のユニークなシステムをつくり上げたわけでもないし」 (宇野)

ももいろクローバーZと比較してこういうことを言っているんですが、少し前置きさせてください。僕はももクロも好きだし、他のアイドルグループも大好きです。ただ、彼女たちに魅力がないんではなくて、AKBがアイドルグループと言うよりも「アイドルシステム」と表現するべき存在であるということなんです。ももクロは5色に輝く彼女たちの個性を大人たちが遊び心で最大限に引き出していますが、その手法はこれまでの芸能界とはそう変わらない。 AKBは地下アイドルの手法を取り入れて、劇場というホームスタジアムを拠点に、CD発売のごとに握手会行脚を行うというシステムを作り上げた。もちろんメンバー個々の光る面も面白いのだけれども、AKBというシステムの中で光るからこそ面白かったりする。それが劇場公演のチーム制による一体感だったり、握手会での「釣り」現象だったりするわけです。その分、今のトップである大島優子にはアンチが少なく、華が足りないというのも、逆にAKBらしいとも言えるかな、と。

「僕がテレビの問題にこだわるのは、もはやAKBの将来的な仮想敵は他のアイドルではなくて、Jリーグやプロ野球だと思うからなんです。既存の国民的興行に匹敵するものとして定着できるかどうか、もともとマスメディア発「ではない」文化運動、マスメディアをブースターとしてしか使っていないものでそれが可能なのか、が問われると思います。
 たとえばプロ野球は読売グループの、つまり新聞・テレビと密着して発展したもので、マスメディアが共通の話題を提供することで社会の空気をつくってきた時代を代表する回路だったと思うんですよね。しかし消費社会が進行して、国民の価値観が多様化してくると、国民の何割かは確実にゴールデンタイムに巨人戦を観るというライフスタイルを取る、という状況が崩壊して行き詰ってしまった。(中略)その反省からJリーグはマスメディアから距離を取って、地元企業のスポンサー度を受けながら地域密着の興行文化を育てようとして、そこそこ定着している。けれど、興行として成立しているのはJリーグではなくワールドカップの日本代表だけです。(後略)
 AKBは現場+ソーシャルメディアで一大勢力を蓄えた後にマスメディアに進出して、テレビや雑誌をブースターにブレイクした。その一方でJリーグ的な地方戦略も採用している。結果的にこれらプロスポーツリーグの行き詰まりを横目に新しいモデルを模索していると言えると思うんですよ」(宇野)

  
この発言はかつてスポーツ社会学を専攻していた僕としては興味深かったです。Jリーグ側の人間がたまに「競争相手は他のエンタメだ」なんてことを言いますが、アイドル好きの口からこの発言が出てくるとは思ってもみなかった。プロ野球でのテレビモデルが崩壊して、パ・リーグやJリーグは地方での密着型興行を志向していますが、どうしても企業は東京に集中しているために、マスメディアでの露出が少なく、経営に苦しむクラブが多いのも事実。Jリーグが地上波でなかなか放送されないのを嘆くファンの声を聞き始めて久しいです。その中で、AKBはもともとマスメディアに深い秋元康氏がプロデュースしているのもあって、”現場+ネット”の力をテレビや雑誌に露出されることに成功している。もともとマスメディアから生まれたアイドル文化が、90年代の「アイドル冬の時代」で地下に潜り、00年代後半からAKBをきっかけに再びメディアに出てき始めた。この流れは面白いですよね。ももクロや他のアイドルも、現場のファンの後押しを受けてメディアに出てきているわけで、ネット時代の人気のあり方を表している一例だと思います。

 ただ、なぜアイドルが成功して、スポーツが苦戦しているか。それは現場の熱とマスメディアを結ぶ熱を結びつける仕組みがあるからだと思っています。アイドルは現場での盛り上がりでCDが売れれば、オリコンチャートの上位に食い込む。売れればテレビは取り上げざるを得ない。実際、AKBの番組は総選挙中継などを除くとめちゃくちゃ高いわけではないです。それでも、握手会や総選挙でCDを買うという「推す仕組み」を作ることで、マスメディアへ乗り込む仕掛けを作ることができました。実際にAKBのメンバーが「売れてきた」と感じていたのは、オリコン1位を取った『RIVER』やミリオンセラーになった『Begginer』あたりからだと言っています。

 ただし、スポーツの場合、いくら新潟で毎週4万人の人でスタジアムを埋め尽くすほど人気があっても、東京での人気がないために全国的なマスコミが生中継をする理由にはなりにくいという葛藤が生まれてしまいます。だから、スポンサーもなかなか入らない。サポーターの方の反感を承知で言えば、熱心な層は、ゴール裏の1枚2000円の席で声を出すくらいのことしかできません。いくら熱意を持って声高く応援しても、クラブにはお金が入らないのです。スポーツビジネスにも何か「推す」ことをお金に変える仕組みが必要なのかもしれません。
 
・AKB総選挙の方がよっぽどピュアで本気な選挙?
 「小林 (前略)現実の政治は「チルドレン選挙」になっていて、そのとき風が吹いている小泉や小沢や橋下にすり寄れば当選しちゃう。でもAKBの選挙は、みんながメンバーの活動ぶりを1年間見た上で、誰がいいかを決めるわけでしょ。こっちのほうがよほど健全だよ。
 中森 しかも選挙の投票はタダじゃん。納税義務を怠ったって投票券は剥奪されない。こっちは汗水垂らして稼いだお金で一人何枚も買って投票するんだから、価値が全然違うよね。さらに言えば、政治家の選挙は組織で支持する候補者が決まってたりする。自分の意思とは関係なく投票する連中が大勢いるんだ。
 小林 こっちは個人の意思だからな。
 濱野 そうなんですよ。こっちのほうがよっぽどピュアで「清い1票」なんですよ。金で買える票のほうがピュアな本気が込められてしまう。そのとんでもない逆説に、民主主義を信じている人たちはもっと驚いたほうがいいですよ。本当に。」

 選挙って、アイドル風に言えば、「誰を推すか」を決めるわけです。それをしがらみなんか抜きにして、自分の持分を投入するわけだから、「金権選挙」の方がある種ピュアだっていう話は、AKBのことをよく知らずに批判している人に聞いてみたいですね。金で当選しない政治家の方が、見えないところで動く金に翻弄されたり、組織内のしがらみに囚われてしまう。ちょうどこれを書いているときに行われていた自民党の総裁選なんかを見ても激しくそう思います。

 下記のやりとりも、AKBの総選挙がピュアで公共性すら持つんじゃないかというお話です。

「 小林 (前略)「若々しくて勢いのある子が好き」という個人的な判断で投票する人もいれば、プロデューサー的な感覚で「AKB全体の公のためには彼女が必要だ」という公共心に基いて投票する人もいるでしょう。いわゆる「私欲の集積」になっていないのが面白いと思う。(後略)
 中森 たしかに、昔のオタクは公共性に反したり、逸脱したりする存在だと思われていたけど、今はむしろ彼らが公共性を育んでいる。一方、公共性を最大のミッションとしていたはずの官僚や政治家が皮肉にもそれを失っているんですね。
 宇野 もともと若いオタクに公共性がないのではなく、彼らと社会構造をつなぐ回路さえあれば、十分に高校生を発揮できるんですよ。」

 
・AKBが「宗教的」であることのワケ
「濱野 テレビでは画面上の占有率が大事ですが、AKBの場合は握手会や劇場によって、生活における占有率を高めたところがポイントですね」
「濱野 (前略)宗教って、ふつうは「いま・ここ」の日常的な空間と遠くはなれた、どこか遠くにある超越的なものを信じることですよね。神や天国ってそういうことじゃないですか。でもAKBの場合は、超近接的な劇場や握手を通じて会えるメンバーを信じるってことなんですよ」

 
AKB現象のポイントとして、「システムの外にいる人からみたら宗教的で気持ち悪さすら覚える」けれど、「システムの中にいる人からしたら、身近な存在を応援しているに過ぎない」ことだと思います。これは、僕自身もAKBを追い始めるまではわかりませんでした。テレビで見るだけの憧れの存在だったはずが、今やブログ・Twitter・Google+・メールマガジンで一挙手一投足を追うことができる。握手会や劇場で目と鼻の先まで近づける。単純に身近な彼女を応援するために、CDを買うわけです。他の芸能人でも、家族がグッズを買うじゃないですか。そんなもんです。でも、その物語を知らない人にとっては、盲目的で宗教的に見えてしまうわけです。

「宇野 (注・戦後の「アイロニーがないと信じられない」という話の流れで)アイロニーって、個人の内面の問題だからね。個人の内面の中で、「あえて~を信じる自分は正しい」という自意識が生まれないといけない。でもAKBにハマるときにそれはいらない。複雑な自意識の操作はあの洗練された仕組みが代替してしまっている。それがこれまで話してきた選挙や握手会といったファンに徹底して参加を促すゲーム的なシステムだったりする。このシステムのおかげで別にアイロニーを経由しなくても「信じる」ことができる」

 僕自身は、最初は「あえてハマっている」みたいなスタンスだったんですが、最近はそれもあまり意識せずに、「気づいたらゲームに乗っかってる」みたいな感覚です。 自然と名古屋や大阪や博多の劇場にも行ってみたいと思うし、ジャカルタにすら行ってみたいとも思いますね。僕自身もともとはアイロニーの塊みたいなところがあったんですが、AKBやアイドルを見始めてからは「乗っかるのも気持ちいいな」ぐらいの感覚ではいます(笑)。

 ・「推す」ことの意味
「宇野 (前略)結局「推す」っていうことがないと、今は社会が成り立たないんじゃないかと思う。要するにこれは自分とは何の利害関係もない人を、それどころか関わりすらない人を応援するってことなんです。だから責任も伴わないし、お金で買えるものです。けれど、そういう想像力がないと社会は成り立たない。今までの社会をまとめてきた物語の力はどんどん弱くなっているわけでしょう? だとすると、僕は「推す」という今までの近代社会ではあまり注目されてこなかった人間の心理に根ざした公共性のようなものを考えるしかないと思うんです。
 濱野 それって社会性の根源だよね。いままで近代社会は個人一人ひとりが責任を持った主体としてしっかり自立するっていうのが大事だと思われてきたけど、そうじゃないんじゃないかってことだよね」

 この指摘は確かにうなずけるところがあります。最近注目されているノマドの人たちも、個人として自立してると見せかけて、ファンを集めて有料サロンや有料メルマガでお金を集めているわけです。これは「推す」ことのAKBとは別の形が見えてきた表れかもしれません。プロ野球やJリーグ、オリンピックが盛り上がるのも「誰かを応援する」ことが盛り上がりにつながっているわけで、既存のしがらみに囚われたような行動様式よりも、より感情に訴える「推す」という行動が、これからも様々な形で社会のシステムとして作られていくというのは、ありえそうですね。


長くなってしまったので、第二章は後半戦を別記事で書きます。
 
 

『日本ラーメン秘史』よりラーメントリビアまとめ。

先日読んだ『日本ラーメン秘史』(Amazon)がものすごくおもしろかったので、そこで得たラーメントリビアをまとめてみたいと思います。

著者の大崎裕史さんは2万杯ものラーメンを食べたそうで、その足で稼いだ情報がすごいです。

まとめるとは言っても、箇条書きでドバーっと書いてみます。


1.東京でラーメンが誕生したのは1910年の「来々軒」(浅草)。

2.1884年発行の函館新聞によると、「養和軒」が「南京そば」を出していたという記事がある。味は塩味。 

3.味噌ラーメンが生まれたのは1954年頃の「味の三平」(札幌市)で単身赴任の客から「豚汁に豚を入れてほしい」と頼まれたのがきっかけ。また、アメリカの大手スープメーカー・マギー社の社長がコメントした「日本人は味噌という素晴らしいソースを持ちながら、それを活用していない」という日本の食文化についてのコメントもヒントになっている。

4.札幌のラーメンと時を同じくして山形の「龍上海」(南陽市)でも味噌ラーメンが生まれた。

5.味噌ラーメンブームのきっかけとなった「どさん子」の創業者は札幌の味噌ラーメンを食べたことがない。自分なりに北海道をイメージしてバターやコーンが入ったラーメンを作ってヒットさせた。札幌の味噌ラーメンにはバターやコーンは入っていない。

6.「背脂チャッチャ系」の始まりは「ホープ軒」(千駄ヶ谷)の店主が屋台を引いていた1960年頃確立した。

7.東京の背脂系よりも、新潟の「福来亭」(燕市)が昭和初期に創業しており歴史は古い。

8.動物系と魚介系のスープを合わせた「Wスープ」は1996年創業の「青葉」(中野)が始まり。

9.博多ラーメンより長浜ラーメンの方が極細麺。魚市場のラーメンとして屋台から始まり、漁師や魚市場の人は気が短く麺が早く茹で上がるように細くしたといわれる。

10.長浜ラーメンでは安い料金でたくさんの量を食べてもらうため「替え玉」が生まれた。極細麺で伸びやすいことも関係している。

11.チャーシューに煮豚が使われるが、一説によると陸軍が作成した『軍隊調理法』に煮豚のレシピが書かれており、第二次大戦後帰還した兵士たちがラーメンの具に加えたらしい。カレーライスが広まったのも同じプロセス。

12.8割以上のラーメン店のチャーシューは煮豚。

13.岡山県笠岡市では、豚肉の代わりに鶏肉を使った「煮鶏」がある。

14.「来々軒」開店当初から、メンマはラーメンの具として存在した。台湾料理の豚肉と一緒に煮込んだ料理から取り入れたという説がある。

15.「メンマ」の由来は「麺の上にのせる麻竹」から来ているという。

16.味付け玉子の元祖は「漢珍亭」(荻窪)。ルーツは台湾料理のルータンといわれる。熊本ラーメンにも味付け玉子が乗っているが、有名な「味千」や「桂花」の創業者が台湾出身であることからも有力。

17.半熟の味付け玉子の元祖は「ちばき屋」(葛西)で、20年前に和食手法からラーメンに取り入れた。

18.八王子ラーメンの刻みタマネギを使い始めたのは1959年創業の「初富士」(八王子)が元祖。

19.ナルトの名前の由来は鳴門海峡のうず潮と言われているが、日本一の生産地は静岡県の焼津。しかし、静岡のラーメンにはあまりナルトは入っていない。

20.北海道や東北では白地に縁だけ赤で渦巻きが緑色のナルトがある。

21.関東で一般的な白地にピンクの渦巻きのナルトは、北海道や西日本では手に入りにくい。

22.神奈川では家系ラーメンのイメージでラーメンには海苔が入っているイメージが強く、当初は使っていなかった店がお客さんの要望で海苔を入れざるをなくなった店がある。

23.つけ汁にいれる魚粉を海苔に載せた「海苔筏」を編み出したのは「六厘舎」(大崎)。

24.印字された海苔は「なんでんかんで」(新代田)が普及させたもので、株式会社大政という会社が特許を取っている。

25.キャベツのトッピングの元祖は1968年に東京に進出した熊本ラーメン「桂花」。

26.博多ラーメンには明太子はトッピングされていない。東京で最初に始めたのはおそらく「ふくちゃん」(築地)。明太子で有名な「かねふく」の直営店として1984年にオープンした。同年創業の「九州じゃんがら」(秋葉原)もトッピングに明太子がある。

27.「ドロ系」のはしりは「渡なべ」(高田馬場)。

28.湯切り「天空落とし」は「中村屋」から生まれた。「ツバメ返し」は「麺屋武蔵 二天」(池袋)。

29.ラーメン店に券売機を導入したのは「麺屋武蔵」。お金を触った手でラーメンを作ると失礼だからだという。

30.「二郎系」と「二郎風」は違う。二郎で修行した店主の店でないと、ファンに「二郎系」と認められない。

31.「麺屋」というネーミングを流行らせたのは「麺屋武蔵」。

32.「特製」という名前でトッピングを全部載せるスタイルを始めた元祖は「大勝軒」と「青葉」。

33.「全部盛り」の元祖は「九州じゃんがら」。

34.首都圏では「ひやもり」が普通だが、札幌では「あつもり」が主流。

35.ベジポタ系の元祖は「ajito」(大井町)。

36.ベジボタ系と命名したのはラーメン評論家の石山勇人氏。

37.担々麺はもともと中国では汁なし。日本人の口にあうようにスープを入れたのが陳建一の父・陳建民。

38.「半チャンラーメン」の元祖は「さぶちゃん」(神保町)。

39.チャーシュー丼の元祖は「くじら軒」(センター北)。

40.青森には「味噌カレー牛乳ラーメン」というものがある。「味の札幌 大西」で、学生客のリクエストで誕生した。

41.喜多方では朝食でラーメンを食べる習慣があり、早朝7時から回転しているお店も多い。

42.「サンマーメン」の「サンマー」は「生きの良い具材」という意味。

43.愛知県一宮市の「ベトコンラーメン」の「ベトコン」は「ベストコンディション」の略。

44.博多ラーメンの歴史は1941年ごろに屋台で創業した「三馬路」。

45.長浜ラーメンの元祖は1953年創業の「元祖長浜屋」。極細麺や替え玉もこの店。


さて、ダーッと書きましたが45個も出てきましたね。こんなに書きましたが、読んだ本にはラーメンの奥深さがまだまだ詰まっています。よかったらどうぞ。

サッカー批評 issue55まとめ。

今月発売になった『サッカー批評』が非常にいい特集だったので、
読んだ感想と要約をまとめてみようと思います。

特にスポーツマネジメント関係者や学生は必読だと思いますよ。

以下、まとめ。

「Jクラブは『適所生存』の時代へ」 あなたの街からJリーグが消える」

以下、気になった特集のまとめと感想。

●Jクラブに聞くクラブライセンス制度への取り組み 書くクラブが考える制度とリーグの未来
各クラブに以下の質問をアンケート。
「1.クラブライセンス制度の施行により、今後重点的に取り組まなければならないことは何でしょう?
2.また、施行にあたり既に具体的に取り組んでいることは何でしょう?
3.この制度により、Jリーグ、日本サッカー界にどんなことがもたらされると思いますか? また、今後Jリーグはどのように発展・進歩していくのが望ましいとお考えですか?」
興味深いのは甲府の回答。競技・施設・人事・組織・財務それぞれについて具体的に記述しており、クラブの計画性と透明性をそのまま表している回答といえる。他のクラブの回答が1/8ページ前後のスペースなのに対し、甲府の回答には3/4ページものスペースを割いている。 

●クラブの「適所生存」は可能か? クラブライセンス制度から考える、これからのサッカークラブのあり方/吉崎エイジーニョ 
クラブライセンス制度の運用開始により、制度上は「Jリーグ失格」の烙印を押されるクラブが生まれる可能性が明確になった。それに対して、「自分から辞める」という選択肢もあるのではないか、という吉崎氏らしい少し斜めからの私見をもとに、各所にインタビューしている。はじめは、Jリーグ管理統括本部長の大河正明氏。ここで、ライセンス運用の趣旨を明示している。2人目は経営危機を乗り切ったばかりの東京Vの羽生英之社長。ライセンス基準の大きな一つ、財政面に課題があるクラブの声を拾っている。3人目は、Jリーグおよび地域クラブでのアドバイザリー実績がある行政書士の谷塚哲氏。サッカークラブが経営においてどのような手法を取るべきか、法的な観点からも述べられている。最後に、千葉県で展開する エクサス市原SC代表の常名秀則氏。Jリーグに属さない、市民クラブでの立ち位置からの運営面について声を拾っている。

●[Jリーグの羅針盤]キーマンが描く20シーズン目の航海図 10年後のJリーグ 改革の先にあるディケイド/宇都宮徹壱
クラブライセンス制度の導入とアジア戦略の展望について、Jリーグのチェアマン大東和美氏と事務局長の中西大介氏へインタビューしている。本文にもあるが、大東チェアマンは本音をあまり語っておらず、ここでは中西大介氏の声が大きく割かれている。アジア戦略についていくつか興味深い話があるので引用。
「Jリーグのアジア進出については、国内市場がシュリンク(縮小)する前から考えてはいました。(略)責任企業がASEANに出ていくとなれば当然、広告宣伝費が出ていく。彼らに応援してもらうようになるには、市場を広げざるを得ない」
「先日、タイ・プレミアリーグとの提携が発表されましたが、タイだけではなく、ベトナム、インドネシア、マレーシアには、同じようにアプローチをかけています。なぜASEANの市場かというと、日本が入っていくのに障壁が低いし、人口も大きいからです」

●[Jクラブの存在意義を考察する]地域に深く愛されるクラブのつくり方 改革を進める大宮アルディージャと水戸ホーリーホックの経営戦略/鈴木康浩
同一県内にビッグクラブをライバルに持つ2クラブの経営トップにインタビューしている。ひとりはNTTグループの支援を受けて資金が豊富な大宮の鈴木茂社長、もうひとつは資金難で名高い(?)水戸の沼田邦郎社長。対照的な2クラブの経営者の話は興味深い。以下、いくつか引用。
(大宮)「去年はびっくりするくらいコストを削っているんですよ。選手人件費は別にして、一般経費とか一般管理費、試合運営費も含めて、毎年5%削減だと。私が来てからは2年間で10%削って、もっと削った部分もある。その分を選手人件費に回します」
(大宮)「埼玉北部エリア、ここの北部少年指導者協議会という少年団36チームの協力を得て、大宮はジュニアチームをつくっているんですね。Jクラブのジュニアチームはセレクションをするだけでも少年団の理解が必要で、他のJクラブさんもジュニアチームを持つのは簡単ではないようです。でも大宮は北部少年指導者協議会の協力があるので自由にセレクションもさせてもらっている」
(水戸)「JFL時代の平成9年です。当時の水戸の石山徹社長は水戸商業高校のサッカー部出身で、一方の水戸市の岡田広市長は同校野球部出身の同級生。これが犬猿の仲で全然うまくいかなった。水戸市にホームタウンになってほしいとお願いしましたが、財政支援はしない、スタジアムも作らない、練習場も提供しない、それでもいいなら認めると。(略)それが去年6月の市長選挙で高橋靖市長が当選して風向きが変わった。震災もあって水戸ホーリーホックを応援しようという流れがあって、スポーツ支援を訴えていた高橋市長が後押しされた」
(大宮の)「鈴木淳監督は今季で3季目の指揮を執る。これまでの大宮からすれば立派な長期政権だ。サッキも例年通り降格圏を争い、結果13位と大きな変化はなかったにもかかわらず、鈴木社長も『過去の監督でもっとも勝点の取得率が高かった』という数字的根拠を挙げて契約更新の理由を語った」

●親会社のないクラブの生きる道 サガン鳥栖の浪漫飛行 暗黒時代を乗り越えて羽ばたくJ1の空/森雅史
クラブ発足当初は経営が非常に不安定だった鳥栖が、J1に昇格するまでの道のりを、現会長の井川幸広氏と現社長の竹原稔氏へのインタビューを交えて綴っている。サガン鳥栖発足前の「鳥栖フューチャーズ」の観客動員は9000人と公表されていたが、3000人が招待客、3000人が水増しだったそうだ。いかに当時のJリーグブームがバブルであったかがわかる。よく立て直してJ1に上がるまでになったと思う。

●[核心インタビュー]横浜F・マリノス前監督 木村和司はなぜ“ブレた”のか?/西部謙司
昨季5位とある程度の結果を出したにも関わらず天皇杯準決勝敗退後に解任された木村和司氏へのインタビュー。なぜ、あれだけ「ちゃぶる」をキーワードにして攻撃的なサッカーを掲げていた1年目に比べて、2年目は守備的なつまらないサッカーに終始してしまったのか、木村氏の人間的な面からも探っていく。解任されて間もない督のインタビューが読めるのは貴重。

●Jリーグのビジネスモデルを思考する クラブ経営のあり方とJリーグの未来
広瀬一郎氏を軸に、新潟会長の池田弘氏、前東京社長の村林裕氏を交えての鼎談。経営のトップであり、ビジョンを持ちつつ具体論も持ち併せる3人の鼎談はスポーツマネジメント業界関係者は必読。踊り廊下にある観客動員数、アジア戦略やリーグのビジョンにまで言及している。

●Jリーグの売り方を考える [第3回]サポーター共同体からJリーグの魅力を再考する/岡田康宏
『リトル・ピープルの時代』の著書で、ポップカルチャー分析では他の追随を許さないという、宇野常寛氏インタビュー。戦後の日本の企業社会が崩壊した今、「中間共同体」を支えるのは「趣味の共同体」だと語っている。そのこれからのモデルケースとして、Jリーグ文化に注目しているらしい。下記の引用文がその一角。
「僕らがどものだけど、どれだけ応援しても巨人はナベツネのレッズやFC東京は応援すれば力になるんじゃないかって思えること。これはかなり重要なことだと思う。規模感ってバランス調整の問題でしかなくて、軽視されがちだけど実は人間が何かに関わろうとする動機付けとしては」

・横河武蔵野FCが選択した「Jリーグを目指さない」という”灰色の路” 街クラブから見るJFLの存在意義/後藤勝
現在J2を戦うクラブのほとんどがJFLに昇格する前からアマチュアの強豪としてJFLに君臨する横河武蔵野FC特集。「Jリーグを目指す」クラブが当たり前のようになってきた今だからこそ、仕事と両立している「サッカーを謳歌する」サッカーライフが見直されるべきなんじゃないかと思わせてくれる記事。

・サッカーと仕事の流儀―― なでしこ戦士・阪口瑞穂の決断/河崎三行
世界一の女子サッカー選手・澤のパートナーとして活躍する阪口も、アルビレックス新潟では仕事をしている。そのことにスポットを当てて、サッカー選手の生活環境について考察している記事。なでしこのW杯優勝により少しずつプロ契約が回復しているけれども、プロになることがすなわち正しいことなのかどうか、示唆を与える。

・【集中連載 第5回】Jヴィレッジの存在意義 サッカーナショナルトレーニングセンターの過去・現在・未来/木村行彦
震災以来、東電福島原発対応の現地拠点としてサッカー施設の機能を奪われたJヴィレッジについてスポットをあてた連載。今回はJヴィレッジの高田豊治副社長へインタビューしており、Jヴィレッジ職員の現状や現状占拠している東電とのやりとりはどのようになっているのかが明らかになっている。Jヴィレッジの職員の一部は、楢葉町の仮設住宅の集会所などを借りてフィットネス教室を始めたり、いわき市内で中学生向けのサッカースクールを再開しているという。また、東電へは損害賠償も請求しているし、施設の使用料も請求しているが、職員の人件費を賄うほどではないという。


以上、早足でまとめてみました。引用部分など、何か問題がありましたらTwitter[@110kin]またはコメント欄まで連絡お願いします。 
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プロフィール
1986年、東京都葛飾区生まれ。高校まで下手ながらサッカー部を続け、大学ではスポーツ社会学専攻に。卒業後はメーカー系SIerの名古屋支社でSEとして3年ほど働いた後、退職する。SE時代に発症したうつ病(双極性障害Ⅱ型の疑いもあり)のリハビリをしながら、「スポーツで楽しく社会貢献」をテーマにした、法人化したばかりのNPOのボランティア職員としても活動中。

趣味はサッカーとアイドルの"観戦"と"考察"。代表戦を中心に、JリーグではFC東京びいき。サッカーはプレーは下手でも技術・戦術論からビジネス論まで何でも語りたがる。どちらかと言えばサイドを広く使ったシステマティックにボールを使うサッカーが好き。好きな選手・憧れていた選手は、名波浩・相馬直樹・中村俊輔・ベッカム・ピルロあたりで、ショートパスのサッカーが好きな割にクロスやミドルレンジのスルーパスがうまい選手が好き。

アイドルは、2011年秋ごろ、休職して暇になり「なんでそんなにAKBが売れてるの?」とテレビ番組やネットを漁り始めたら面白さにどハマりした口。そこから他の女性アイドルにも広く興味を持ち始め、ライブや握手会などに積極的に参加している。好きなグループはSKE48、AKB48、HKT48、PASSPO☆、9nine他。推しメンは秦佐和子、松村香織、岩永亞美、梅田彩佳、梅田綾乃、朝長美桜、奥仲麻琴、根岸愛、佐武宇綺など、グループを問わないksDD。別に推しメンじゃなくてもみんな大好きな博愛主義です。女子のかわいさだけでなく、グレーなところにもどんどん突っ込んで語りたい派

連絡先:
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Twitterアカウント:
@110kin[サッカー・真面目Ver.]
@dd110kin[アイドルヲタ全開Ver.]   
読了本①
欧州サッカー批評(7) (双葉社スーパームック)

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

サッカー小僧 005 (白夜ムック)

アイドル最前線2013 (洋泉社MOOK)
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読了本②
BUBKA (ブブカ) 2013年 05月号 [雑誌]

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

AKB48裏ヒストリー ファン公式教本

ダ・ヴィンチ 2013年 04月号 [雑誌]

まるっとSKE48スペシャル

うつ病・休職から復職

リトル・ピープルの時代

「双極性障害」ってどんな病気?  「躁うつ病」への正しい理解と治療法 (心のお医者さんに聞いてみよう)

対人関係療法でなおす 双極性障害

日本代表サポーターを100倍楽しむ方法  ~サッカーとボクと、時々、ノマド~



ENTAME (エンタメ) 2013年 04月号 [雑誌]









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